一般的な幕末史は,官軍側の薩長史観で語られることが多いが,この『幕末史』はどちらかというとアンチ薩長の観点で語られているので面白い.
- 正直申しまして,攘夷がきちんとした理論でもって唱えられたことはほとんどなく,ただ熱狂的な空気,情熱が先走っていた.
- 「成程西郷という奴は,わからぬ奴だ.少しく叩けば少しく響き,大きく叩けば大きく響く.もし馬鹿なら大きな馬鹿で,利口なら大きな利口だろうといったが,坂本もなかなか鑑識のある奴だヨ.西郷に及ぶことの出来ないのは,その大胆識と大誠意とにあるのだ」---勝『氷川清話』
- どうも歴史には「こういう大事な時にこの人とこの人とを会わせておきたい」といった”意思”があるのではないか.
- アーネスト・サトウが高杉のことを「戦争に負けたくせに魔王の如く怒って威張っていた」と書いています.
- 中岡慎太郎「胆あり識あり,思慮周密,廟堂の論に堪うるものは桂小五郎.識あり略あり,変に臨んで惑わず,機を看て動き,気を以て人に勝つものは高杉東行」
- 松平春嶽が一橋慶喜を評して「百才あって一つの胆力なし,胆力なければ百才ふるえど猿芝居に等しい」
- 薩長「官軍」に攻められて江戸町民がつくった歌「鹿児を出ておのが音をはるクツワ虫 いまに武蔵の露ときえなん」
- 明治初期の狂歌「上からは明治だなどといふけれど 治めるめい(明)と下からは読む」